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小夜倉庫

似たり寄ったりなことを百万回繰り返しても足りない

大人も子供も魔法つかいになれるという話

漫画・アニメ

今年二月から、プリキュアシリーズ十二作目となる『魔法つかいプリキュア!』が放送されている。「魔法つかい」という大胆なタイトルが話題になっていたのは記憶に新しい。

作中には、リコたちが住む「魔法界」と、みらいたち(や我々)の住む「ナシマホウ界」、所謂人間界が存在する。異なる世界に暮らす彼女たちが手を繋いだとき、宝石が輝き奇跡が起こる――と、そういう話だ。
3話放送後、作中における魔法とはなんだろう、というような考察をチラホラ見掛けた。そのへんは詳しい人々におまかせするとして、わたしは「ナシマホウ界における魔法」つまり「我々の現実世界の魔法」について話したい。


この世に魔法や魔法つかいが実在するのかは置いといて、ここでするのは、「子供たちの魔法はどのようなものか」という話だ。



  * * *


この世界にも「魔法」はある。おそらく最もわかりやすい例がサンタクロースだろう。

サンタクロースの正体は子供たちの親であるわけだが、サンタクロースを存在させるのは一体なんだろう。それは「嘘と信頼」だ。大人は子供にサンタクロースの存在を吹き込み、子供はそれを信じる。そうすることで、「魔法が成立する」。

またしばしば聞くのが「ママの手は魔法の手」というものである。「ママの手は魔法の手だから、この手でおなかをさすったら痛くなくなってしまうのよ」というアレだ。これもまた「信じる」ことによって「魔法が成立する」例である。


そういうことを踏まえると、『魔法つかいプリキュア!』3話には面白い台詞があった。


リコ「それにしても、よく許してくれたわね」
みらい「おばあちゃん、いつもわたしを信じてくれるんだ」

みらい「みんなのおかげで、わたしも魔法つかいだよ」

みらいは「信じてくれるからなんでも正直に言える」「みんなのおかげで魔法つかいになれる」という。これは魔法の本質だ。

もちろん、この世界にも魔法があって、魔法つかいがいるかもしれない。その可能性は絶対に否定できない、この世界のときめきだ。
けれども多くの子供には、ほんとうに魔法を使うことは難しいだろう。しかしその魔法は「みんなが信じることで、ほんとうの魔法になることができる」のだ。


3話には、「子供を信じてほしい」という大人へのメッセージが含まれているように感じた。子供の魔法は周囲の大人次第で成立する。どうか、子供が魔法つかいだと言いはじめたら、その子を魔法つかいにしてほしいとわたしは思う。


もちろん子供にはいろんな子がいるどころか、ひとりひとりちがう存在だ。
中にはすべてわかった上で、魔法なんてないという子供もいるだろう。あるいはわかっていても尚、「魔法つかいごっこ」に興じるエネルギーを持った子供もいるだろう。

いずれにせよ、子供たちの見る世界を共有しようと努力する人間でありたいものだとわたしは思う。
「魔法の成立」に加担する人間はある意味みんな魔法つかいだ。「この世界の魔法」を前にしたとき、我々はきっと、男も女も大人も子供も、みんな魔法つかいになれるのだろう。

キュアップ・ラパパ! みんな魔法つかいになれますように!